エンジニア市場の構造と規模は?SES市場などの採用の現状

IT業界の経営者や人事担当者が現在悩まされているのはエンジニア不足による問題です。日本のITエンジニア総数は国内で約100万人存在すると言われていますが、都心部は5万人に満たないと言われているほど少ないのです。
エンジニア業界の市場は、正社員、SES、フリーランス、プログラミング教育の4つの市場に分類されます。

 

正社員市場

企業で正社員として勤務するエンジニアの市場が正社員市場ですが、エンジニア市場の中では最も規模が大きな市場と言えます。
転職意向の高いエンジニアが集まる市場とも言えますが、人事担当者が正社員市場で働くエンジニアを採用しようと思っても、色々な企業や事業者との争いに参戦することになります。そのためただ単調な採用を実施しても人員は集まらない可能性があるでしょう。

 

SES市場

正社員市場の次に大きな市場がSES市場で、全エンジニアの4割程度がSES市場にいると考えられています。
SESはシステムエンジニアリングサービスを省略した呼び名ですが、エンジニアを派遣して常駐により開発支援を行うサービスです。
一時的や短期的に人材が不足している場合や、プロジェクトを開始する時に人員を増やしたいという場合など、現状の課題を解決する際に有効だと言えるでしょう。

 

フリーランス市場

特定の企業や団体、組織に属さずに独立した個人事業主などであるフリーランスとして活躍するエンジニアもいます。
企業などの現場で活躍するといった経験を積み、いずれは独立を目指すといったエンジニアも少なくありません。
さらにフリーランスには種類があり、まず案件ごとに企業と契約を締結しますが、その後自宅で作業を行う在宅型フリーランス、そして勤務先の企業に常駐して作業を行う常駐型フリーランスがいます。

 

プログラミング教育市場

プログラミングスクールを開講する事業者が増えつつありますが、プログラミング教育を行った後には就業先の斡旋や就活支援を行うといったスクールも生まれつつあります。
経験値はないものの、これからエンジニアを育てたいという場合にはこのようなスクールの卒業生を新たな人員として迎える方法もあるでしょう。

 

エンジニア不足はどの市場から人員を獲得するかで決まる?

企業のエンジニア不足の問題を解決するためにも、まずエンジニア業界の全体像を把握しておくことが必要です。
長時間労働や過重労働のイメージが強いことがエンジニア不足の要因とも言われています。そのため自社の勤務環境や採用課題をまずは確認し、どのような目的で人員を確保したいのか、どのレベルのエンジニアを獲得していくべきかなど戦略を考えていくようにしましょう。