システムエンジニアリングサービス(SES)は、システムを完成させることを約束する請負契約ではありません。ITエンジニアの能力を提供することを対価として契約を締結する、準委任契約の一種です。そのため基本的にはタイムチャージ(人月単価)で報酬が発生します。
従来型の契約とは何が違う?
従来型の契約では、仕様がまだ決まっていない段階や、設計変更が頻繁に発生するサービスなどで、開発範囲を決めながら個別で見積りを行います。
そのため仕様を変更するたびに見積りの交渉を行う必要があり、コミュニケーションコストが多く発生してしまいます。
しかしシステムエンジニアリングサービスのようにタイムチャージがベースになっている契約は、見積りに関してのコミュニケーションコストを削減することができます。
付加価値を生み出すための作業に時間を費やすことが可能ですし、エンジニアがクライアントの企業に常駐することで打ち合わせの設定も迅速に行うことができるでしょう。
作業に対応できる人材は確保できている?
一般的なシステム開発の場合は、まずシステムの要件を定義し、設計、プログラミング、テストといった工程の計画をたてて、さらにそれら工程の工数を算出したのちに見積りが提出されます。
後は立てた計画に従って、システムを納品していくと手法が一般的になっています。特にプロジェクトの規模が数百や数千という人数になる場合にはこのような形になりますが、作業の内容や人材要件が明確に分類されていることがほとんどです。
これに対し、システムを作って試し考えていくという進め方を行うシステム開発の方法の場合、短期的で開発を繰り返しシステムの品質を高めていきます。
このようなプロジェクトの場合には、明確な開発フェーズの切り分けがありませんし、突発的な対応も多くなることから幅広い知識と経験を持つ人材が必要となるでしょう。
多様化するニーズに対応できるスタイル
SESは多様化するニーズに対して、クライアント先に駐在するスタイルで支援が可能です。様々なビジネスや業務では、現在はITなしでは成立しないと言えます。
システム開発分野で求められる人材不足の影響は、ビジネスの質や価値を低下させる可能性もあるため注意する必要があります。
このような状況にこたえることができるサービスがシステムエンジニアリングサービス(SES)です。
システム構築のスペシャリストがプロジェクトチームの一員として、システム構築に関係する設計や開発、運用を担当する技術者とクライアント先で勤めビジネスの成功に直接関わっていきます。
システム設計段階ではクライアント視点で業務を捉えていき、システム構築段階では業務を支えるためのツールや言語といった旧来の技術から最新技術までを駆使しながら構築力と適応力をもってシステム構築をしていけるでしょう。